早稲田大学 政治経済学部 現代アジア経済史 11/21 ㈬
中国が社会主義化を急いだ背景
アメリカをにらんだ国防強化のため、国防強化に直接つながる重工業の発展を優先させるため。
重工業発展を早急に行うためには、①できるかぎり、多くの資本を国家が占有する必要
②占有した資本を重工業部門に集中的に投下する必要
市場経済→計画経済
計画経済体制の整備
第1期5か年計画(1953~57年) 重工業部門に重点
劉少奇 重工業にばかり偏りすぎでは?
軽工業、農業バランスのとれた発展が重要なのでは?
農業合作化
毛沢東 農業合作の深度を高めれば農業生産は増加するだろう
劉少奇、周恩来 社会主義化が早すぎる、国防そこまで急がなくて良くない?
毛沢東 社会主義化が遅すぎる、社会主義化を遅らせる選択肢はない
結果、毛沢東の指導の下、中国はさらなる急進化
なぜ?
百花斉放・百家争鳴運動
中国全土で不満や批判の表出を含め自由で活発な議論を奨励(百花斉放・百家争鳴)
知識人たちの反体制・反社会主義批判
スターリン批判は東欧諸国にも大きな衝撃
国内でも労働争議などが起き、中国でもハンガリー動乱が起きるのではないかと、不安視
→徹底的な言論弾圧
反右派闘争 約55万人が厳しい批判の対象になる。
中国共産党第8回全国代表大会第2回会議を開催
第2回が行われることは稀
第1回をやり直し
急進的な社会主義政策、「大躍進」運動の開始
鉄鋼生産量、食糧生産量の目標を上方修正
地方のリーダーたちは社会主義に賛成していることを示すために目標値をさらに上方修正
大躍進の開始は農業から
アメリカを農業生産量で追い抜くことは共産主義への大きな一歩と認識
上方修正された目標値をみて指導部は農業部門においては「共産主義」への過渡期が近づいていると認識
公共食堂の設置
工業大躍進
誇張された農業生産予測を信じた中央指導部は「農業と食糧の問題はすでに基本的に解決した」と認識。
北戴河会議の指示を受けて各地で大々的な大製鉄・鉄鋼運動が展開
廬山会議
農業生産の増大+都市労働人口の増大=食糧徴発量の増大
59年春には人々の生活用品の供給が危機的状況に
彭徳懐(国防部部長)が大躍進を批判
毛沢東は彭徳懐と彼に賛同する幹部らを「右翼日和見主義反党軍事グループ」
と認定し、弾圧
1960年鉄鋼生産量は1860万トンに達し、なんとか目標額を達成しかし、無理が祟り、原材料の不足や労働力の疲弊により61年に急激に下降
大躍進の帰結
生産量の減少
死亡者は3000万から4000万人